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「ナノ?君の力も…」
「いやっ!!」
ナノはぷいっと顔を背ける。
「そんなこと言わずに、アキの為だろう?」
マルがそう言うとナノは溜息をついて、
「能力なんて使いたくないのに…」
と呟いて、耳たぶを摘まんだ。
するとCodeの輪がナノ自身を包んだ。
次の瞬間、ナノは僕の目の前から消えた。
「え?」
僕はビックリして目を見開く。
ナノはまたすぐさっきいた場所に現れて、Codeの輪は身体に吸収された。
「消え…た…」
僕がびっくりしてるとナノはまた僕らに背を向けて座り込んでしまった。
「ナノの能力は姿を消す、というか、姿をコードで包んで人の目じゃ見えないようにする能力だ。」
「すごい…」
マルの言葉に僕は目を丸くした。
「君もこんな能力を持ってるんだよ。しかも君は戦闘特化型で初号機だから能力的には最強のはずなんだけど…」
マルは僕の全身を見ると首を傾げる。
「僕も、コード出せるよ。」
僕は呟くと指を鳴らす。
いつものコードの輪が掌を包む。
「それだけかい?」
マルはそう言うと、掌を僕に向ける。
「そのままこれに手を当てて。吹き飛べと念じながら。」
僕は頷くと掌をそっとマルの掌に当てる。
…吹き飛べ…っ!!
次の瞬間、マルは衝動波と共に吹き飛び、壁に衝突する。
大きな音を立て、壁はえぐれて、マルはうつぶせで落ちる。
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