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「…え?」
ナノは目を見開いて、立ち尽くしている。
それ以上に僕がびっくりしていた。
僕にこんな力が…
「…すごいね。やっぱり。戦闘力は僕らと比にならない。」
マルは普通に立ち上がると服についたコンクリートをほろう。
「…マル…大丈夫なの?…」
ナノはマルへ近寄る。
「あぁ。そうか。ナノにも言ってなかったね。僕らは人体がコードで出来てる。だからそのコードを解読しなければダメージはないんだよ。まぁ言わばパスワードの鎧をきてるようなものさ。」
マルは笑う。
「ちょっと!あなたたち!!」
白衣の大人達が走ってくる。
「あぁ。大丈夫です。遊んでたら間違ってCode-001の能力が出ちゃっただけで。」
マルが笑顔でそうフォローすると、大人達は、
「わかった。気をつけろよ。」
といってすぐ立ち去った。
「ふぅ。ばれなかったな。」
そんなマルを見て僕とナノは目を丸くするだけだった。
「その能力があれば大丈夫だね。問題ないよ。」
マルは自分の背中がぶつかりえぐれた壁を見つめる。
「なにがよ?」
ナノが首を傾げる。
するとマルは真顔で僕らの方を振り返ると、小さい声で言った。
「脱走だよ。」
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