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森に入ってから、結構な時間が流れたと思う。
しかし、一向に学園らしきものは見えてこない。
「…迷ったか?」
友哉は深くため息をつく。まいったものだ。今の時間帯、ここに魔法の練習で来る学園の生徒なぞいるまい。
まして、友哉自身が声をかけられる気がしない。
「さて、どうしたものか…」
バシャ!
「ん?」
ふいに、近くで水がはじける音が聞こえた。誰かいるのだろうか?
学園の関係者?ならば、助かったというものだ。
友哉は水音が聞こえる方向に歩き始める。
そこは、中くらいの湖だった。
近くに人影がみえた。友哉は声をかける。
「あの~」
木の陰から、控え気味に声をかける。
「すみません。道に迷ってしまって…あ」
人影に近づいたところまではよかった。しかし、彼女は裸だった。
「あっ!その、すみま」
「キャーー!!」
女性特有の甲高い声が響く。
未発達な二つの膨らみを片腕で隠し、下も片方の腕で隠す。
「すまん!」
と、友哉は方向転換する、その瞬間!
ヒュン!
風を切る音。そして、目の前の木が燃える。
「ま、待ちなさい!この変態!」
「や、やめろ!それ当たったら、確実に死ぬって!それと、俺は変態じゃな…」
「しるかぁぁ!」
少女は片腕に自身の半分はある、火球を作り出していた。
友哉は片腕で顔を隠し、極力彼女を見ないようにして対峙する。
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