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クレアを先頭に、なぜか友哉は手首を縛られたまま歩かされていた。
「なぁ、これどういうことだ?」
「あ、あたりまえでしょ!まだ、あんたが変態かどうかわからないんだから!」
完全に警戒されているようだ。
「そういえば、クレアは火属性の精霊使いなんだな…」
「ん?ええ、そうよ。私以上の精霊使いなんて、ほかにいないんだから!」
かなり自信があるような、いいぶりだった。
まぁ、この年であそこまで完成度の高い魔法が使えるのはそれなりに凄い事だと、友哉にもわかっていた。
「で、あんたはなんで学園に来たのよ?」
「ああ。ちょっとした、野暮用でな。本当は、来たくなかったんだが…」
「最後の方、なんか言った?よく、聞こえなかったけれど」
クレアが、気になる、といった表情でこちらを伺う。
「いや、なんでもない」
「そう?ほら、ついたわよ」
友哉が前を向くと、そこには巨大な時計台を中心に建てられた大きな洋風の学園があった。
「ありがとう、クレア」
「いいわよ、別に。じゃ、私は失礼するわね」
そういうと、クレアは学園内に消えていった。
去り際に、きちんと施錠をほどいてくれた。
「ふぅ…さて、行くか」
友哉は、自分をここに読んだ本人のところに向かうことにした。
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