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ここは公立盟泉(めいせん)高校
少し寒さが残る春、ちょうど始業式の前日の朝八時三十分。
高校の中庭にある高校の名前と初代校長の名前とが彫られた石碑の前で、一人の男がぼんやりと立っていた。
160cm後半の体を包むのは学校規定の黒と青とのラインが交互に入り混ざったネクタイが締められた白いシャツ。それに紺のブレザーが羽織られている。
下もこれまた学校規定の暗い青のズボンを着用。
ぼーっとした顔と裏腹に、意外にも容姿は整っている。
ゆるくパーマがかかった黒髪は目に少しかかる位で、その目は切れ長だ。鼻も高く、唇も薄い。
彼の名は東芹(あずませり)。
アメリカへ留学していた為、この学校を一年休学していた、この学校の元生徒だ。
芹は頭を抱え天を仰ぎ、呟いた。
「また2年生か…………」
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