an encounter

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ペタン、ペタン、ペタン 踵を履き潰した上履きの独特な音と共にゆらゆらと草が近づいてくる。 そして、ゆっくりと二人の前に立った。 身長差の所為で、椅子に座っている加藤は勿論の事、芹を見下ろす形になる草。 逆に見上げる形になっている芹から見た草は長髪がかぶさり、かなり不気味だった。 「誰お前? 2年か?」 草は芹を訝しげな顔で眺める。 「東芹。 めでたくお前と共にダブった今年の2年生だ。 桐原草」 芹は先程の草の様に口の端を持ち上げ、ピラピラと名簿表をかざす。 「東、芹」 芹から名簿表を取り、彼の名前を口の中でゆっくりと反芻する草。 「俺は一組か…… ん、了解」 草はそう言って名簿表を若干叩きつける様に加藤の机においた。 すると草は職員室に入ってきた時の小憎らしい笑みとは違った、純粋な笑顔を芹に見せた。 「よろしくな、芹。 俺の事は草でいい」 「え、あ、あぁよろしく……」 いきなりの草の笑顔に面食らいつつも、返事をした芹。 草はその反応にまた笑みを浮かべると、何かに気づいた様に芹の顔に自分の顔を近づけた。 「お前、目のクマひでぇな。 ちゃんと寝てんの?不眠症かよ?」 草の質問にハッとする芹。 そして不機嫌そうに眉根を寄せると、 「違う」 と一言呟き、加藤の方を向いた。 「じゃあこれで失礼します」 挨拶を済ませると芹足早に職員室を出ていった。
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