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叫んだ声というより窓をチカラ任せに叩いた音にユウナは気付いて僕の方をみた。
そして気まずそうにして出入り口がある、隣りの車両に姿を消しました。
それをみて僕も隣の車両の前に歩いていきます。
すると入り口の直ぐ脇にユウナはサングラスをしたまま棒立ちしていた。
それを見て僕は怒ったように言いました。
じゅん「なんで!…………なんも言わねぇんだよ!!」
ユウナ「………………ゴメン。」
じゅん「っ………………」
一言だけ……ゴメンと言われて僕は何も言えなくなってしまった。
そしてユウナもそれ以上喋りません。
お互い口を開くことが出来ずに、時間だけが過ぎていき、僕は発車の時刻に怯えて少し震えていました。
失敗した…………財布ごと預けなきゃよかった。
さっき、財布を駅員に預けなければ、今すぐこの電車に跳びのっていたのに!
そんなことを妄想していると、ユウナが小さな声で言いました。
ユウナ「ねぇ、じゅん。1つだけ教えて。」
じゅん「な、何??」
僕が慌てて返事をすると、ユウナはユックリとした口調で話始めました。
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