入学式

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世界には他にも人類と同じ様に生活している文明が4つあるらしいが、魔法を使うことが出来るのは人類だけだそうだ。 ってのも、魔法史に書いてあったことを鵜呑みにしただけだから実際のことは分からない。 とまあ、説明はこれぐらいにして、マジメに遅刻しそうだから走らなきゃな。 人って何もしないときは駄目だけど、走ってたり何か運動してるときに不意に思い出すことってよくある。 走っている内に、これまでのことを振り返っていく。 普通、人生には波があって、良いことや悪いことが起こる。 正に、『人生、楽ありゃ苦もあるさ』だ。 でも、俺は特に波風が立つこともなく、平凡な毎日をだらだらと十六年間過ごしている。 それで人生楽しいか?と言われると、いまいち言葉が詰まってしまう。 しかし、俺には人とは少し違う考え方がある。 それは、『やるべきことはできるだけ速くして、やらなくていいことはやらない』 つまり、省エネ主義なのだ。 それはもう、体の爪先から頭の天辺まで省エネ主義なのだ。 大事なことなんで、二回言いましたよこれ。 正直、俺は高校に進学しなくても良かった。 ただ、毎日をエネルギーを使わずにだらだらしたかった。 私の将来の夢?ニート(自宅警備員とも言う)か専業主婦ですがナニか? でも、さすがに周囲が進学しろと反対するので、わざと落ちるために、一番難しいと言われるアルティス魔導学園を受験した。 もちろん、テストはまったく意味が分からないレベルで、正直な話、別の国の言葉かと見間違えたほど。 実際、テストの問題に見たことない国の言葉あったし……絶望したね。 なので、何となく鉛筆を転がして答えを決め、受験を終えた。
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