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公衆電話の中に入ると、見た感じどこにも違和感は感じられない。
(こういうモノは何処かに隠されたスイッチか仕掛けがあったりするんだよなぁ)
推理ものの小説の読みすぎか、変に勘ぐってしまうのはしょうがない。
どこかにボタンでも有るんじゃないかと思って手当たり次第に壁を触りまくる。
「」
「」
反応なし…
(あれっ!?何処か見落としでもあったのか?)
しかし、どこにもそれらしいボタンは見当たらない。
(うーん、かなりマズイ…)
このままでは俺は確実に遅刻してしまう。
=学園の中に入れない→落第
初日から退学だなんて洒落にならないよコレ。
(どうする…今から家に帰って書類が無いか探すか…?いや、ダメだ、俺は書類もといこの学園の資料なんて何一つ見かけたことがない)
外から見れば、中で男子高校生(仮)が立ち尽くして何かを考えているように見えているに違いない。
しかし、内面では既に、まともな思考が働いておらずパニック状態。
中で考え込んでいると、ふと、外が暗くなっていたことに気付く。
今は朝で快晴なのに何故?
そんな疑問はすぐに解決した。
公衆電話と同じ程の身長の男が立っていたからだ。
ぼろぼろの茶色い服を纏った中年男性で、腹は大きくはみ出ていて、一言で言うならば「巨漢」だろう。
顔には髭が延び放題になっていて更に怪しい雰囲気を醸し出していた。
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