程遠い穏やかな生活

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顔を近づけたら、恵美の顔は桜色からリンゴのように真っ赤になった。 ん? どうしたんだ?恵美のやつ… …こいつも、熱があるのか? と少し心配になり、僕のおでこを恵美のおでこにくっつけた。 ん~…熱はないようだな しかし、おでこをくっつけてから、恵美のリンゴのように真っ赤だった顔が更に赤くなっていた。 …大丈夫なのか? こいつ? 心配している僕をしりめに恵美は 「お兄ちゃ~ん…好き~…」 と繰り返していた。 僕は、はぁ…と一つため息をつくと 「恵美、帰ろ?暗くなるぞ?暗くなったら、オバケがでるかもな…」 と、言い恵美の反応を待った。 余談だが、恵美はオバケや心霊などのオカルト系の話がとても苦手だ。 「ひっ、オバケ!?」 と恵美は震えながら僕の右腕にしがみついてくる。 「冗談だよ。さあ、早く帰ろ?」 と一応恵美を宥めておく。そうしないと、帰り道がキャーキャーうるさくなるからだ。 しかし、怖がっている恵美はかなり可愛い。 ……僕はSなのか? ふとそう思ったが、今はどうでもいいので、考えるのをやめ、家に帰ることにした。 帰り道に僕の右腕にしがみついている恵美がとても可愛いと思ったのは秘密だ。 家に帰りつくと、恵美は安心したようにふぅ…と安堵の息をはいた。 「「ただいま~」」 僕と恵美が声をそろえて言うとリビングの方から 「お帰りなさい」 という声が聞こえた。 母さんだ。 時刻は午後6時…父さんもまだ帰って来ない時間だし晩ご飯もまだだろうから、僕は自分の部屋に向かった。 もちろん、腕にしがみついたままの恵美を連れだ。 しかし、その時の僕には恵美を連れて部屋に向かったことを後悔するようになるとは知る余地もなかった… 本当にやめといたら良かった…
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