34人が本棚に入れています
本棚に追加
「なんでって…もちろん、智美さんが恵美のライバルだからですよ」
ライバル?
勉強なら智美には悪いが恵美の方ができる…
運動はそもそも部活が違うし…
「ちょっと恵美、ライバルってどういう…」
「…薄々分かっていたけど、恵美ちゃん、わかってるの?恵美ちゃんと誠は兄妹なのよ?」
僕が言い終わる前に智美が割って入ってきた
「智美何で僕が話の中に入ってくる?確かに僕と恵美は兄妹だけど今関係ある?」
本当に何で僕が出てくるんだ?
「「はぁ~…」」
恵美と智美が同時に深いため息をついた
こう見たら仲の良い姉妹なのにな…
「お兄ちゃん…本当に何でかわからないの?」
腕の中の恵美が少し悲しそうな顔をした
その瞳にはかすかに涙が浮かんでいる
「その様子だと私のことも分かってないわね…」
智美も同じように悲しそうな顔だった
なっ、なんで二人は悲しそうな表情を浮かべているのだろう
その時、不意に母さんと父さんの声が聞こえた
「あ~あ、女の子泣かした、二人も泣かした」
「誠、お前がハッキリしないからだぞ」
母さんと父さんに言われたことの意味が分からない
「えっ、僕が悪いの?」
僕は驚きを隠せないので聞いてみた
すると、
「全く…誠にってばお父さんの子供だからって唐変木すぎない?」
「母さん、ひどいな~」
夫婦で笑い出した
そして、母さんが智美のそばへよっていきよく聞こえない声で智美と話しだした
「智美ちゃん、誠はあんなんだから気づいてないだけだからで、智美ちゃんに魅力は感じてるわよ、だからね、誠に愛想つかさないでね…あと、恵美と頑張ってきそいあってね」
母さんは話し終えたようで智美のもとから、僕のほうへ歩いてきて、僕の腕の中の恵美を奪い取っていった
そして、智美と同じように話しをした
「恵美、お母さんとお父さんは兄妹だからってそんなのは気にしないからね…あなたはとても可愛いから自信をもってなさい」
母さんが話し終えた後の二人はなんだか嬉しそうだった
最初のコメントを投稿しよう!