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僕はしばらくの間顔を上げることができなかった
どれだけの時間がたっただろう
せっかく暖まっていた浴室が冷めてしまった
秋にはって間もないとはいえ、そうなるととにかく寒い
「あの~…扉を開けっ放しにされると僕が風邪をひいてしまうんだけど…」
すると、まだ少し顔を赤くしている恵美が
「あ、ごめんなさいお兄ちゃん。すぐに閉めるよ」
と、言いながら智美と共に浴室に入ってきた
「ちょっ、何で入ってくるんだよ!」
「なんでって、恵美たちはお兄ちゃんとお風呂に入るために来たんだよ?ね、智美さん!」
恵美が智美に話をふった、まだ智美の顔は真っ赤だった
「べっ、別に私は入りたくはないんだけど、恵美ちゃんに連れてこられただけだし、でも誠がどうしても一緒に入って欲しいって言うなら入ってあげないこともないのよ…?」
智美の言っていることは、後になるにつれて小さくなっていった
「言いたいことは良く分かった…」
僕が言い終わる前に恵美と智美が口を挟んできた
「ほんと?お兄ちゃん!だったら、一緒にお風呂に入ってもいいんだね!」
「私は入らないわ!でも、誠が…」
「ちょっと待って。人の話しは最後まで聞こう?恵美、僕は入ってもいいって言った?」
「い、言ってないよ…お兄ちゃん」
「僕だってね、男なんだよ?恵美や智美みたいな素敵な女の子とお風呂に入ったら大変なんだよ?」
僕はどうにか一緒にお風呂を避けるために頑張って言葉を繋いだ
「うきゅ~…お兄ちゃんが、お兄ちゃんが恵美のこと、素敵な女の子だって…」
「誠、素敵な女の子のなかには私もはいってるのよね?」
「うん。もちろんだよ…」
なんだか、僕の思ってたのと違う反応だ
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