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「一目見たときから好きです!付き合ってください!」
放課後、夕日が町を赤く染めるなか学校の屋上で、僕の目の前の女子生徒がそう言った。
「えっ、僕?」
周りには誰もいないが、気が動転してそんな事を言ってしまった。
「はい!誠君です。」
目の前の女子生徒は僕の間抜けな問にそう答えた。
昨日も、一昨日もこんな感じだったな…
女の子から告白されて…僕はビックリする。
何度経験しても、なれないや
と、考えていると
目の前の女子生徒が
「あのぉ~、誠君?」
と心配そうな目で僕を見ていた。
あ、そうだ
僕は告白されていたんだった
女子生徒の声で考えこむのをやめた僕は、慌てて真面目な顔をつくる。
目の前の女子生徒はほんのり頬を桜色に染めている。
…熱でもあるのだろうか?
また、少し考えこんでしまった。
すると、女子生徒がまた
「誠君?」
と僕の名前を呼ぶ。
十中八九、返事を待っているのだろう
僕は、待たせるのは悪いと思いすぐに、返事をする事にした。
「ごめん…。気持ちは嬉しいけど、君には僕より相応しいひとが絶対にいるよ」
僕は女子生徒の告白を断った。
途端に女子生徒は泣き出しそうな顔になり、
屋上から立ち去った。
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