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「これだけあれば十分だろ、どうだった? 初めての狩りは」
「うん、面白いよ」
「そっか」
「でも…」
フィンリーは、踞るように膝を抱える。
「かわいそうだよ」
「え…」
「だって、しかもうさぎも生きてるのに、むやみに命をうばうのはダメだって、ユウ兄言ってたし」
「……なるほど」
予想はしていたが、いざ言われると、ユリウスは少し戸惑いを見せていた。
「確かに、命の大切さを教えてきたよね。でも生きていくのに、奪わないといけない命もあるんだよ」
「生きるのに、うばうの?」
「それが命の流れ、何かの犠牲の上に成り立っているんだ。でも無駄じゃない、今日獲った鹿や兎は、フィンリーたちが食べることで、その役目を終える」
ユリウスは、フィンリーのお腹に手を当て
「フィンリーの体の中で、その命を預けるんだ。だから感謝して食べないといけないし、その分まで長く正しく生きないといけない」
フィンリーは首を傾げ
「う~、むずかしい」
「ハハ、まぁ分かる時が来るよ。でも命が大切なのは確かだから、その気持ちは忘れないように」
「うん」
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