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小さな体で、大きく頷くフィンリー
争いを知るユリウスだからこそ、この純粋な芽を大切に育て
平和の中で生きて欲しい、と強く願っていた。
そして帰り道
獲物を木の棒に吊るして歩くユリウスは、横をトタトタと歩くフィンリーに訊く。
「で? プレゼントの方はもういいのかい?」
「ふぇ!?」
「いや、最近よく探しに行ってたんでしょ、見てて分かるよ」
「う、うぅ~」
手に持つ何かを隠すフィンリーは、いじわるするユリウス向けて頬を膨らます。
何でもお見通し的な師匠を、ちょっぴり苦手とする中で
心強くも思えるのだった。
二人が家に着いたの時には、すでに昼を過ぎていた。
出迎えるフィオナを素通りして、フィンリーは自分の部屋に直行する。
「フィー?」
フィオナはクルッと振り返り
「マスター、また意地悪しましたね」
「いや、そんなつもりじゃ」
「ん~」
「……アハハ💧」
睨むフィオナに、ユリウスは苦笑いを浮かべるしかなかった。
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