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PM 8:30
晩御飯の後も、すぐに部屋に隠るフィンリーを呼び出し
ユリウスはフィオナの前に連れてくる。
「マスター? フィンリーも」
まだ怒っている、というよりは恥ずかしそうにするフィンリーは
ユリウスに後押しされるようにして、体の後ろに隠していたそれを前に出す。
「これって」
その手には、色々な木の実で作った首飾りがあった。
「お、おたんじょうびおめでとう。お姉ちゃん」
「え、あ……まさか、これを作るために毎朝森に行ってたの」
頬を赤らめながら、フィンリーは頷く
思わず涙が流れ、フィオナはフィンリーを抱き締めた。
「ありがとうフィー、嬉しいよ」
お礼を言い、優しく頭を撫でてあげる。
三年前に両親を亡くしてから、フィンリーを守るために一生懸命だったフィオナも
フィンリーがいたからこそ、今の自分がいるんだと
改めて気付かされた思いだ。
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