第一章 平和な暮らし

15/26
前へ
/173ページ
次へ
PM 8:30 晩御飯の後も、すぐに部屋に隠るフィンリーを呼び出し ユリウスはフィオナの前に連れてくる。 「マスター? フィンリーも」 まだ怒っている、というよりは恥ずかしそうにするフィンリーは ユリウスに後押しされるようにして、体の後ろに隠していたそれを前に出す。 「これって」 その手には、色々な木の実で作った首飾りがあった。 「お、おたんじょうびおめでとう。お姉ちゃん」 「え、あ……まさか、これを作るために毎朝森に行ってたの」 頬を赤らめながら、フィンリーは頷く 思わず涙が流れ、フィオナはフィンリーを抱き締めた。 「ありがとうフィー、嬉しいよ」 お礼を言い、優しく頭を撫でてあげる。 三年前に両親を亡くしてから、フィンリーを守るために一生懸命だったフィオナも フィンリーがいたからこそ、今の自分がいるんだと 改めて気付かされた思いだ。
/173ページ

最初のコメントを投稿しよう!

132人が本棚に入れています
本棚に追加