第一章 平和な暮らし

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「あ、あぶなかった💧」 少年は体勢を整えると、枝の上に屈み、木の下にいる少女に言う 「お、お姉ちゃん! 落ちたらどうすんだよ!」 「そんな高いとこに登るフィンリーが悪いんでしょ、早く下りて来なさい」 「うぐぐぅ」 フィンリーと呼ばれたツンツン頭の少年は、ブツブツと愚痴を溢しながら 渋々と木から下りていく。 「大体、フィーならあのくらい落ちても大丈夫でしょ」 「むぐぅ~」 プクーッと頬を膨らますフィンリーを見て 少女はクスッと笑い、フィンリーの頭を撫でる。 黒く短い髪に、フィンリーと同じフードのある白の長袖を着て、青色の長いスカートを履いている フィオナ フィンリーの姉で、十歳の女の子。 早くに両親を亡くした為、フィオナがフィンリーの母のようになっている。
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