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そんなフィオナが大好きなフィンリーは、愚痴を言いながらも
フィオナのことを嫌いにはならないのだ。
手を繋ぎ、村へと帰る姿は
村人にとっては、平和である証でもあった。
そんな微笑ましい光景を見ながら、村の大人たちは仕事を始める。
「おはようフィオナちゃん」
「おはようございます。おばさん、昨日はありがとうございました」
「いいのよ、畑の野菜ならいくらでも分けてあげるから」
「本当にすみません、ほらフィーもお礼を言って」
フィオナの後ろに隠れるように立つフィンリーは
ヒョコッと顔を出し、小さく会釈する。
「フィンリー」
「いいのよ、フィンリー君も身体に気をつけてね」
「……」
返事は無いが、それでも怒ったり不快な気分になったりはしない
子供がほとんどいないこの村で
フィンリーとフィオナは、まさに村の希望とも言えるのだ。
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