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村の人に声をかけられては、丁寧に返すフィオナ
反対にフィンリーは一言も話さないのだが
村の人にとっては、それもまた微笑ましい光景なのだ。
そんな村の天使たちが向かったのは、少し外れた位置にある高台の上
小さな掘っ立て小屋だ
「フィオナ、フィンリー」
小屋の前には、黒い髪を後ろで縛る二十歳の男性が、斧を片手に持ち、立っていた。
白衣とマントを纏い、両手には手甲を付けている
ユリウス
フィオナとフィンリーの育ての親であり、師でもある人
「ただいま帰りました。マスター」
「おかえりフィオナ、フィンリー」
「聞いてくださいよ、フィーったらまたあの木に登ってたんですよ」
「ハハ、フィンリーは本当に高いところが好きなんだな」
ユリウスは斧を置き、フィオナの体に隠れるフィンリーの頭を撫でる。
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