夏の頂点

開始

万雷の拍手の中、２つのチームがホームベースを挟んで向かい合う。出雲農林と光陵学園の体格さは歴然としていた、ただ出雲農林にはやや開き直るようなムードがあった。負けて元々、勝とうとは考えていない。

恭一は礼をした後、マウンドへダッシュで向かった。パンパンに膨らんだアルプスからの応援が彼を盛り立てるが、当の恭一はいつも通りの能面ヅラを変える事もなく淡々と投球練習を始めた。