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「別に大きさなんか関係なかろ?」
合いの手を入れたのは泰斗の前、三番を打つ谷口だ。大柄な体を揺らして水を飲む。
「ほいでもの、気になるで、ありゃ」
「雄大は気にしすぎよ、どんなんかしらんが打ちゃ勝てるんじゃ。のう、泰斗」
スパイクを袋から取り出していた泰斗に谷口は声をかける。
「谷口の言うとおりだ。俺たちが打てばいい。桜木は抑えることだけ考えてろ」
「………いっつも思うけど、みんな俺に結構きびしくね?」
「空気が読めない発言を連発するからじゃろ、もうちっと口を閉じてればいいのに」
桜木との会話を谷口が引き取ったため、泰斗はバットを持ってベンチ前で素振りをする。夏の日差しがまぶしかった。こんな暑い季節に野球をやらせるなんて思いついた奴は頭がイカレてるとしか思えない。
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