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「調子いいか」
ノックを終えた沢口が話しかけてきた。
「悪くね。いつも通りだよ」
「そりゃ良かった。もうお前以外いないからよ。頼むぜ」
「またまた、エースはお前だぞ」
「じゃあ一番をくれよ」
「やだね、お前の背番号のどっちか片方に白テープでもはれよ」
沢口の背番号は11である。
「ちぇっ………集合しようぜ、ベンチ前ベンチ前」
沢口がベンチ前に部員を並べ、膝に手を置く。こちらが後攻だ、長谷川は慌ててプロテクターを付け、恭一は手元のグローブを二回叩いた。
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