8月23日

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「調子いいか」 ノックを終えた沢口が話しかけてきた。 「悪くね。いつも通りだよ」 「そりゃ良かった。もうお前以外いないからよ。頼むぜ」 「またまた、エースはお前だぞ」 「じゃあ一番をくれよ」 「やだね、お前の背番号のどっちか片方に白テープでもはれよ」 沢口の背番号は11である。 「ちぇっ………集合しようぜ、ベンチ前ベンチ前」 沢口がベンチ前に部員を並べ、膝に手を置く。こちらが後攻だ、長谷川は慌ててプロテクターを付け、恭一は手元のグローブを二回叩いた。
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