♪第5章

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「どの指にする?」 「くすりゆび。」 「そこ、はめたらもう逃げられないからね。莉子。」 「あたしが諒を離さない。」 「ハハッ。頼もしー。」 諒はあたしの左手を取ると、手の甲にチュッとキスをした。 そして、顔をくしゃくしゃにして笑った。 青い石のついた指環が、ゆっくりとあたしの薬指を滑ってきて ………第二関節で止まった。 「…げっ、入んないし。 莉子太った!?」 「ひどっ!」 「………。」 無理やり薬指にはめようと、ぐりぐりとされる。 「…痛い。」 痛みを訴えると諒は手を止めて、あたしの顔をじーっと見た。 「…んー…。 じゃ、他の指で…」 「いや、作り直してよ。 おカネ、持ってんでしょ。」 「アホか。 物は大事にしろって。」 「だってーっ!」 .
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