流れるだけの日常から脱出

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午後8時35分。 毎日繰り返している仕事を終え、彼らは某ファミレスに集合し、ある計画を立てていた。 『息抜き旅行計画』 日々傷心している自分達へのご褒美という名目で、都会へ繰り出そうと言うわけだ。 それに、全く知らない土地へ行くという刺激が欲しかった。 代わり映えのない毎日はやはり退屈だったのだ。 6人のテーブル席を囲んで5人の男女が座り、目の前の料理を頬張りながら、話題に華を咲かせていた。 「だいたい決まったね。なら、明日は仕事が終わり次第、俺に連絡して」 計画の話もまとまり、踏ん切りをつけた男。 名を女川 翔。23歳。短い茶髪頭に端正な顔付き。身長は172cmと標準的だが、筋肉質な身体は、彼を一回り大きく見せた。
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