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警護
警護室に泉 興源より直接電話が入り警護としての一日が始まる。
レクサスでマンションまでゆき玄関まで迎えに出る。前後に一人ずつ付きそのまま警護に入る。
赤坂本山での警護は基本的に3人で付き私服警備も数カ所に配備されている。
雅也は常に興源の前に付き辺りを警戒して先導してゆく役目であり、最近では興源にも声を掛けられるようになってきた。これだけ警備に対して神経質になっているのは右翼の街宣活動が頻繁に行われるようになってきたことと怪しい人間が周辺をうろうろし始めているからである。
実際に他の宗教団体の幹部が刺殺される事件や世の中を詐欺にかけ老人を騙したと極左の人間に刺し殺された宝石屋の社長などもいる。何が起こるかわからないこの世の中、自然と目つきもするどくなってくる。
しかし、世の中の善悪は別として実際仕事に入ってしまうと興源を警護し、信者を守ることが正義になってしまうところが仕事の恐いところかもしれない。
というのも近所の住人は法華会を快く思っていないようで罵声を浴びせたり、ゴミを投げ入れる人間もいる。
複雑な思いを持ちながらも警護にあたるわけだが興源をはじめ信者と話などをすると情が移ってくるのも事実であった。
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