巨大要塞

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ここだ。 一緒に後部座席に座っていた警護課の課長牧村が運転手に車を止めさせた。 課長は私に車を降りるよう促した。 「ここがどこかわかるか?」 「…。」 「法華会だ。」 「法華会…。」 法華会とは東京の赤坂を本拠地としている宗教団体で最近マスコミの間で騒がれている団体である。支部は全国にあるのだが教祖である泉興源が赤坂の本部にいるので在家信者になるため老若男女問わず東京に集まってきているのである。 と言うよりも信者が新たな信者を獲得するため全国を飛び回っているのである。 しかし、信者に財産をすべて投げ出させ、子供は学校に通わせずに街中で団体の本を配らせていることが話題となり、最近よくマスコミに取り上げられているのである。 「泉興源を警護する。社長の知り合いの政治家を通しての依頼らしいが、最近、右翼や極左がうるさいらしい。」 「そうですか。わかりました。」 「隊長の渡辺がもう警護室にいる。法華会の窓口を担当している星田さんに挨拶した後、警護室へ連れてゆく。泉興源は夜にならないと帰ってこないから戻り次第お前を紹介する。」 「わかりました。」 そう言い終わると裏門ではなく正面玄関から二人は自動扉の中へと入っていった。
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