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そこは、私達がほぼ毎日通っていた高校だった
雅人「行こう」
雅人は私の手を取り、校舎のなかに入っていき、生徒会室に入った
「・・・今更何?今日、雄太と結婚するんだけど」
私はそう言うと雅人の手を振りほどいた
雅人「・・・知ってる。それに、ずっと俺を待っていたことも・・・。」
雅人は少し寂しそうな顔をしてそう言った
「・・・どうしてそれを・・・」
雅人「翔輝から・・・聞いた」
「翔輝から・・・?」
雅人「あぁ。それと、ゴメン。いくら、冷たく当たっても明奈だけはついてきてくれると思ってた」
「・・・。」
雅人「でも、違ったんだ。明奈と別れてはじめて気づいたんだ。『あ、俺・・・明奈がいないと駄目なんだな』って。だから、ずっと後悔していた」
「・・・バカ」
雅人「へ?」
「雅人のバカ」
雅人「うん・・・。」
「五年間、ずっと待ってたんだから!!!」
雅人「うん、知ってる」
「それでも来ないから、決心して雄太と結婚しようと思ったのに・・・。」
雅人「うん、ゴメン」
「今更遅いんだよ、雄太は・・・。」
私がそう言ったと同時に雅人の携帯が鳴った
雅人「もしもし?」
雄太『あ、雅人?』
雅人「雄太!?」
雄太『そろそろ帰ってきてくれないかな?こっちもヤバイし』
雅人「わかった」
雅人はそう言うと電話を切った
雅人「これから式場に帰るんだけど、これだけは言わせて。明奈、ずっと好きだった。・・・ん?過去形じゃないな。明奈、大好きだよ」
「私も・・・。昔と変わらない。雅人が大好きよ」
私がそう言ったと同時に雅人は私にキスをした
そしてしばらくして、唇を離し、お互いに照れ笑いながら手をつないで帰った
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