■「もふもふ。」

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 海を眺めていた。  ただ、ぼんやりと。上の空で。  私にとって、それは生活の一部のようなものだった。どんな天気の日でも、ほとんど毎日、欠かすことなく、その場所に足を伸ばしては、私は黙って海を見ていた。  理由なんてないけど、なんとなく、そうしているのが好きだった。昔から、海に何かしらの憧れや、畏敬の念みたいなのがあったのかもしれない。すっかり習慣となった行動に明確な「なぜ」を求められないように、私の気まぐれ、いや、その習慣にも、意味や理由は見いだせない。  きっと、みんな、そう。  私に限らず。  物事に意味を求めたら、きりがない。  なんとなく気になるから。  理由は、それだけで十分だ。  
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