法始動~fashionable country~

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突然、声が聞こえた。 と言うより、直接頭の中に声が響いた…という表現が正しいかもしれない。 『ユーキさん聞こえますか?レイです。今ユーキさんの精神はある国を投影させたものに到着しました。今からその"壁で囲まれた国"にて4日間過ごしてもらいます』 レイの落ち着いた声が響く。 「これは国だったのか…確か一応日本国も壁に囲まれてるんだったよな…見たこと無いから忘れてたな」 関心した声で小さく呟く。 『過ごしてもらうにあたりまして、法定上パートナーを同行させる事になっています。バーチャル上のパートナーですのでガイド役もこなします』 「ほぅ。どんなパートナーで?」 『はい。それは人以外の生物なら構いません。例えば犬や猫、鷹や鷲、魚も可能ですが水槽もセットとなるのであまりオススメしませんが』 「うーん…なにがオススメですか?」 『オススメ…ですか。やはり犬や猫といった動物がいいですね。小さいものなら一緒に行動しやすいですし、なにより可愛いので癒されます』 「可愛さは必要なんですか?」 少し笑みをこぼしつつ小ばかにしたように聞いてみる。 『見知らぬ土地に行くわけですし、それなりのストレスは溜まる事も有り得るので、ストレス発散ということで癒しがあって損はないです。それを踏まえ何にしますか?』 正当すぎる答えで少し残念だ。 「でもいきなり言われても……うーん、じゃあキツネにします。キツネ」 不意に思い浮かんだのでそう答えた。
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