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美優は、ずっと我慢していたのだろう。
俺の彼女だったが故に、大嫌いな不良である後輩の世話も黙ってやっていた。
洗濯だって、当時1日に3回は回していた。
土方をやっていた後輩たちの靴下は、そりゃあ滅茶苦茶に汚かった。
女社長が、大嫌いな不良の靴下を洗濯する毎日。
そしてそこにきて、俺のホストになる宣言。
切れてもしょうがないのかも知れない。
しかし、この時は俺の方も切れてしまった。
「てめぇ!こんな不良達ってなんだよ!!
俺だって不良だよ!!」
家族のように思っていた後輩たちを馬鹿にされて、
俺の中で何かが抑えられなかった。
大声に一瞬ビクッとした美優だったが、
直ぐにまた洗濯物を投げつけながら罵声を浴びせてくる。
後輩たちが止めに入ったが、
こうなった俺は誰も止められない。
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