修羅場

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俺は後輩の静止を振り切って美優の腕をつかみ、家の外に出して鍵を閉めてしまった。 ドンドンと壁を叩きながら、喚く美優。 俺は相当怒っていたので、すぐに入れたらまた面倒な事になると思いしばらく放置していた。 それから20~30分は経っただろうか、気がついたら外が静かになっていた。 少しは落ち着いたか…? ちょっと悪い事したなと思い、中に入れようと玄関のドアを開けると、美優が居ない。 もしや、そのまま友人の家にでも行ったか? そう思ったが、違った。 美優は台所の鍵のかかっていないドアからこっそり家に侵入していたのだ。 そしてドアを閉めて居間に戻ろうとする俺の視界に、美優が写った。 そこには、果物ナイフをこちらに向けて構えている美優が居た。
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