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「美優!!!」
素早く、振りかざした美優の右手首を掴む。
美優は、暴れなかった。
元から、本気ではなかったのだろう。
手首を掴まれ、押し黙って、それでもじっと俺の目を見つめる美優の瞳に、俺は恐怖を感じた。
「雄一さん!」
「大丈夫ですか!!」
後ろから後輩たちの騒ぐ声が聞こえた。
この騒ぎに気付いて駆け付けたのだろう。
後輩たちによって、美優の手から果物ナイフが離される。
美優は、その場に座り込んで泣いていた。
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