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勤めていた会社が倒産した。
俺、北條雄一が23歳の時だった。
色々なことがあり、地元に居られなくなっていた俺は、
地元である埼玉から宮城の仙台に越していて、そこで働いていた。
職業は、”運転手”。
偶然にも、俺の親父と同じ職業だった。
親父の話はまたいずれ書こうと思うが、
俺はこの偶然にどこか得体のしれない、ある種の嫌悪感の様なものも感じていた。
運転が無い時は、輸入品の家具などを売る営業の仕事をしていた。
俺は、”自分を売る”と言う信念のもとで必死に営業を続け、
持ち前の根性を活かして成績を伸ばし、会社の中では一目置かれていた。
会社の会長に気に入られていたってのもあるが、
俺の顧客が数千万円の家具を買ったり、会社の売上には随分貢献もしていたと思う。
しかし、その会社があっけなく倒産。
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