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おう、と軽く返事をし、カツヤ君はしげしげと俺のいでたちを見る。
「雄一…お前、荷物は?」
「手ぶらで来ちゃいました」
「手ぶらって、着替えもないのか?」
「サイフだけっす」
一瞬間を置いたカツヤ君、
事態を飲み込むと、周囲を気にせず大笑いしだした。
「お前!相変わらずだな…!」
俺はそんなに変な事をしたつもりでは無かったが、
白い歯を見せるカツヤ君を見る限りなかなか普通ではなかったのだろう。
良い意味なのか悪い意味なのか分からないが、
相変わらずと言われたことが俺は妙に嬉しかったのを覚えている。
「裸一貫で、一旗揚げに来ましたから」
俺は少し、はにかみながらこう答えた。
その場で少し雑談し、早速カツヤ君がやっているホストクラブに連れて行ってもらう事に。
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