32人が本棚に入れています
本棚に追加
/60ページ
カウンターを合わせて、7席ほどしかない店内。
まだ開店前の、薄暗い店内を見回して、
どこかで抱いていた華やかなホストクラブとの差異に、俺は少し混乱していた。
しかし、当時の歌舞伎町には10店舗ほどしかホストクラブが無い時代。
(ちなみに現在は歌舞伎町内に150~200店舗ほど存在する。)
”店が小さいから流行っていないんじゃないか”と言う俺の想像は、
その後見事に打ち砕かれることになる。
「雄一。俺と一緒に店をやってる、ワタルだ」
カツヤ君はそう言って、店内で開店の準備をしていた人を紹介した。
ワタルと呼ばれたその人は、俺より少し若く見えた。
「初めまして、よろしく。」
人懐っこい笑顔を見せるワタル君。
聞けば、やはり俺より2つ下だと言う。
ちなみにカツヤ君は俺の1つ上にあたる。
いかにも美少年と言う感じのワタル君。
当時ジャニーズJrに所属していたことからも、その美男ぶりは窺い知れる。
最初のコメントを投稿しよう!