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今日は王都の辺境にある森に集合して実技試験。街に近い関係で危険な魔物は根こそぎ排除されているから、まだ未熟な学生でも安心できるということだろう。
「おはよー!」
「おはよう」
相変わらず元気なアズサの声が眠気を遠ざけてくれる。細身な剣……レイピアを腰に提げていて、アズサらしいなと考えてしまう。女性が近接武器を持っている姿はギルドでもあまり見かけない。武器を持つ場合は弓や高価ではあるが魔法銃を使う人が多いイメージ。
そんな中でも剣などを使う人はよほど身体能力が高いのだろうと思っていて、アズサの印象はそれに違わなかった。
「アクトも剣使うんだね、見せて!」
アズサに言われて、背負っている剣を軽く引き抜く。緑の柄と白銀に輝く刀身に、アズサがおぉ、と声を上げた。平均よりもかなり軽く作られていて、恐らくアズサの持つものと重さ自体はそこまで変わらないだろう。
「きれいな剣……」
その言葉に笑って頷く。作るときにアクトの要望を全て答えてくれた恩人には頭が上がらない。
「俺も、気に入ってる」
もちろん剣がもっともオーソドックスな武器であることは違いないが、そもそも魔法が万能なので武器を持たない人が大多数を占める。周りを見渡しても武器を持っているのは三分の一程度に見えた。
「二人とも早いね。おはよう」
ユリとキリトが道中で会ったのか揃って姿を見せて、軽く挨拶を交わす。ユリは多くの人と同じように手ぶらで、キリトは大きな弓と矢筒を背負っていた。大きな特徴は、矢筒に入っているものが矢そのものではなく魔力という点だろう。
「珍しい、魔法弓?」
アズサが興味津々、といった様子でキリトの背後に回る。
「ああ。これなら負担少ないからな」
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