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「さて……」
此処は太平洋ど真ん中にある、地図にもない無人島の秘密の地下基地のブリーフィングルーム……謂わば会議室
私は大きな会議用の丸机に肘を突き、周りを見渡した
私の名前はレイ・レイナード……この悪の組織、『悪の組織』を作った悪の総司令よ
……ちょっと、誰よ?悪の組織って二回言ってるって思った奴
合ってんのよこれで。この組織は悪の組織で、名前が『悪の組織』なんだから……うん、分かってるわ、そのまんまだって言いたいんでしょ?
私だって変えたいわ。でもね?これが一番マシなのよ……部下に決めさせようとしたらショ〇カーかジ〇ンで争うもん
結局、分かりやすさ重視でいったらこうなったのよ……だからそのまんまだとか言うな!
っと、そんな事を言ってる場合じゃないわ!
「皆に集まって貰ったのは他でも無いわ。今日で世界に宣戦布告して三日目、そろそろ本格的に世界征服に乗り出そうと思うわ。そこで……」
私は同じく丸机についている幹部三人に、一枚のフリップを見せた
「皆には我々の初となる世界征服計画第一号を考えて欲しいの。順番に発表して貰えるかしら?」
「ハイ!」
すると、黒髪ショートでだぼっだぼの白衣を着て、ぐるぐる渦巻き眼鏡を掛けた、所謂インテリ風な姿をした幹部の一人が、カタカタとノートパソコンをガン見でキーボードを叩きながら手を挙げた
彼はハカセ・シナガワ。悪の組織の幹部の一人にして、様々なメカを発明する、悪の組織自慢のメカニックさんだ
「はい、ハカセ。何か良い案あるの?」
「うむ。取り敢えず秋葉原に行きたいのだよ」
「……行きたいって、意味が分からないんだけど?私が聞いてるのは世界征服計画の案よ?」
「えっ?旅行の話じゃないの?」
「アラッ!?」
私は盛大に滑った
「貴方ねぇ!人の話聞いてた!?誰が旅行の話をしたのよ誰が!」
「ありゃ、違うの?そりゃ悪かったのだよ~」
「本当に相変わらずよね貴方は……集中すると周りが見えなくなる癖、早く治しなさい!」
私がガァーッ!と怒鳴り付けると、ハカセはポリポリと頭を掻きながら謝り、またパソコンに視線を落とした
彼は悪の組織の自慢のメカニック……なんだけど、集中すると周りが見えなくなるのが悪い癖なのよね……ハァ~……
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