第一章 世界征服するわよっ!

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「さて……」 此処は太平洋ど真ん中にある、地図にもない無人島の秘密の地下基地のブリーフィングルーム……謂わば会議室 私は大きな会議用の丸机に肘を突き、周りを見渡した 私の名前はレイ・レイナード……この悪の組織、『悪の組織』を作った悪の総司令よ ……ちょっと、誰よ?悪の組織って二回言ってるって思った奴 合ってんのよこれで。この組織は悪の組織で、名前が『悪の組織』なんだから……うん、分かってるわ、そのまんまだって言いたいんでしょ? 私だって変えたいわ。でもね?これが一番マシなのよ……部下に決めさせようとしたらショ〇カーかジ〇ンで争うもん 結局、分かりやすさ重視でいったらこうなったのよ……だからそのまんまだとか言うな! っと、そんな事を言ってる場合じゃないわ! 「皆に集まって貰ったのは他でも無いわ。今日で世界に宣戦布告して三日目、そろそろ本格的に世界征服に乗り出そうと思うわ。そこで……」 私は同じく丸机についている幹部三人に、一枚のフリップを見せた 「皆には我々の初となる世界征服計画第一号を考えて欲しいの。順番に発表して貰えるかしら?」 「ハイ!」 すると、黒髪ショートでだぼっだぼの白衣を着て、ぐるぐる渦巻き眼鏡を掛けた、所謂インテリ風な姿をした幹部の一人が、カタカタとノートパソコンをガン見でキーボードを叩きながら手を挙げた 彼はハカセ・シナガワ。悪の組織の幹部の一人にして、様々なメカを発明する、悪の組織自慢のメカニックさんだ 「はい、ハカセ。何か良い案あるの?」 「うむ。取り敢えず秋葉原に行きたいのだよ」 「……行きたいって、意味が分からないんだけど?私が聞いてるのは世界征服計画の案よ?」 「えっ?旅行の話じゃないの?」 「アラッ!?」 私は盛大に滑った 「貴方ねぇ!人の話聞いてた!?誰が旅行の話をしたのよ誰が!」 「ありゃ、違うの?そりゃ悪かったのだよ~」 「本当に相変わらずよね貴方は……集中すると周りが見えなくなる癖、早く治しなさい!」 私がガァーッ!と怒鳴り付けると、ハカセはポリポリと頭を掻きながら謝り、またパソコンに視線を落とした 彼は悪の組織の自慢のメカニック……なんだけど、集中すると周りが見えなくなるのが悪い癖なのよね……ハァ~……
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