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景色のいい海にきた。俺は意外と海が好きだ。ちょうど、夕日が出ているこの時間帯が特に。色んなことを忘れられる。ただただその夕日を眺めた。横にちょこんと座った女の子がいた。髪は短く、性格もさばさばしている。俺にとっては唯一の女友達だ。
「ここって、本当に景色がいいよね」唯はにっこり微笑んでそういった。
「ああ」こいつなら、俺を出せる。唯はひょっこり俺の顔を見つめた。じっと見られるのが苦手な俺はすぐに目線を逸らした。その様子を面白そうに見る唯。
「なんか悩んでいるでしょ?」ほらみろ、だからお前が苦手なんだ。
「別になんでもいいだろ」そう言って俺は海を眺めてた。波の音がやけに静かに聞こえる。
唯は少し寂しそうな顔をした。
「話してくれないんだ」何でも話せた友達でもあった。申し訳なかった。
「...このこと話したら、唯だって俺のこと嫌うだろ?」
「そんなことないって」いいさ、もうすべてが嫌になる。だから、いつの間にか俺は自分の気持ちを話し始めた。
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