逢いたい(GL)

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 約5年前。小学生の頃だった。いつものように学校から帰ってきた私は学校近くの公園にいた。私は友達がいなかった。誰かといるより1人でいるのが好きな子だった。夏だけ噴き出すこの噴水の近くのベンチに座ってお昼ねすることが大好きだった。 いつものようにすっと眠っていると、隣に誰かが座った。そっと目を開けると、可愛らしいショートの私と変わらない年頃の女の子がいた。私の顔を見ながら微笑んでくれた。 「ここって、気持ちいいね」笑顔で言ってくれる彼女に思わず私はうなずいてしまった。 「うん。ここは私の特等席なんだ」 「へえー」  「ねえ、噴水のところに行ってみる?」私は彼女に優しく問いかけてみた。 「うん、行きたい!」うれしそうに彼女はそう答えた。私は手を繋いで、噴水のところに行った。ひんやりとしていてとても気持ちよかった。 きらきらと太陽の光に当たって輝いていた。 「綺麗だね」 「うん」私たちはお互いの顔を見合わせて笑った。
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