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「私、香苗っていうんだ。明日から小学校に通うんだ」私の学校だ。私は笑顔で答えた。
「香苗ちゃん、私は奈緒っていうんだ。私も同じ学校だよ。よろしくね」
「うん、友達が早くもできた」うれしそうに微笑む香苗ちゃんに私もうれしくなった。初めて友達ができた。
それから毎日、私たちは学校の帰りに遊ぶようになった。それが1年続いた。ある日、私たちはまたこの公園で遊んでいた。
「冷たいって」
「奈緒も」二人で水をかけあっていた。とても気持ちよかった。
珍しく寂しい表情をした香苗。不思議に思い、私は訊ねた。
「どうかしたの?」香苗ははっとした表情をした。
「あのね...。笑わないでくれる?」
「うん」真剣な表情だけれども、辛そうでもあった。水を手ですくって香苗はそっとこう言った。
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