その先にあるもの(NL)

3/8
前へ
/32ページ
次へ
 天気はどんよりとしていた。まるで私の心のようだ。 「ユウカ、私があの人のこと好きだって知ってたじゃん。なんで、付き合ったの?」私がそういうとユウカは下を向いた。 「ごめん。私も好きになってしまったの」 「...」ユウカはいいよ。だって、私の何倍も可愛いんだから。いつももてていたし。 「ごめん」 「知らない」私は悔しくなってその場から逃げ去った。  そして、次の日からユウカのグループの子に無視をし始めるようになった。正直な気持ちを話せば、とても怖かった。だんだんそれがいじめに変わるのは早かったほうだと思う。すべてに嫌気がさして、私は今ここにいる。  風が気持ちいい今日、夏ごろ。今私は屋上にいる。フェンスは案外高くないので、乗り越えられそうだ。このまま生きていても楽しいことなんておきそうにない。親友に裏切られ、いじめられる毎日。そんな日々を終わりにしたかった。
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加