赤い月

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そして、時は流れそれらのことをまた忘れて行く。 日々の生活に終われ、過去の物となった。 だが、先月の9月28日。 私は建設現場の資材をトラックに積み込み高速を走っていた。 ほどほどに疲れてはいたが意識はハッキリとしていたのは間違いない。 幾度となく走って来た道を運転していてそれは起きた。 突如、ハンドルが取られ操縦不能となったのである。 慌ててハンドルを切ろうとしても最早どうしようもなく、左右に揺れ続けた車体は大きく右に傾く。 片輪走行になった時、私は死を覚悟した。 漫画や映画で死に直面した人間が叫ぶのが分かった、死という目に見えない結果が迫る時、自然と断末魔を上げてしまうのだろう。 「うわぁあああああああ」 絶叫した後、車は転倒。 惰性の力でアスファルトを削りながら進み続けた。 目を開ければ、フロントガラス弾け飛びフレームが歪んでいる。 それを確認したことで生きていることに気付く。 だが、生きた心地はしなかった。 ガラスの抜けた車体の向こう、高速道路のフェンスの上にそれはいた。 不吉の象徴。 私は、死ぬまでアレにつけ回されるのだろうか? fin.
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