文章基礎講座ー文法編ー

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 3 テーマ 癒し  一歩踏み出す度に音をたてる、道を埋め尽くすほどの枯葉。通り抜ける風に身を震わせながら、ポケットに手を突っ込み再び歩を進める。  10月下旬。虫すら土に篭り始める季節の折、家から徒歩5分もかからないような林の中を1人、歩いていた。  時々木の根に躓(つまず)きそうになりながら、目的地を目指して足を動かす。体が小さかったころとは違って見える、変わっていないはずのけもの道。折れた枝。傷ついた樹皮。きのこに覆われた倒木。辺りを見回す度に、どこか懐かしくも新鮮な気持ちに身を包まれる。  ふと、まっすぐ前を見ると目的地が見えた。自然と体が軽くなる。周りの木々より少し大きめの、紅葉の木。昔と変わらない出で立ちに圧倒される。風が吹く度舞い散る紅葉は、まるで自身の威厳を主張するかのように盛大に、かつ見栄え良く地へと向かって落ちていく。  背を紅葉の木に預け目を閉じると、枝葉の揺れる心地良い音だけが耳に響き、乾いた脳を潤した。  ーー以上です。簡単かつ、わりと時間も使わず書いた文ですが、まずはこういう自分なりの『雰囲気』みたいなものを描けるように、意識していきましょう。
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