文章基礎講座ー視点編ー

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 といったところで、ごちゃごちゃ説明されてもよくわかんねぇよって人のために、簡単な例文を書きたいと思います。  一つ目は、ありがちな一人称の文。  二つ目は、主人公をフィルターとして意識しつつ、モチーフを可能な限り描写した文。  こんな感じでいきたいと思います。  ただ、二つ目に関しては所詮私程度がやってみたことなので、真似するというより、一つ目と二つ目を『比較』する感じで読んでみてください。  さりげなく囲ってますが、比較はモチーフを描く上でかなり重要なので、頭の片隅に置いといていただきたい。  では早速一つ目を。  長かった休日も終わりに近づき、俺は彼女と共に電車に乗っていた。時間が遅いせいか帰りの車内には人がほとんどおらず、実質二人きりだった。  ここで楽しく話でもできればよかったのだが、疲れてしまったのか、生憎彼女は寝てしまっていた。  普段はつらつでいたずら好きな彼女が無防備でいるのをみると、日頃の仕返しをしてやろうかとも思ったのだが。  その心地良さそうな寝顔と、いつもは見れない女の子の雰囲気を醸し出す姿に、不覚にもドキッとしてしまい、そんな自分がなんとなく恥ずかしくてただ眺めるだけにとどまっていた。 「まったく……抜け目がないんだか、隙だらけなんだか」  小さくそうつぶやいて、気を誤魔化すように窓の外へと目を向けるのだった。  二つ目は次ページに書きます。
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