戸川杏子

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【三年前…春】 当時私は、地元では有名な名門校と言われる、私立の金龍女子学園に合格していた。 いわゆる、お嬢様学校である。入学金も、結構な金額が必要とされた。 両親は、決して裕福ではなかったが、私が全学年でトップの成績を取った時に、両親から、この女子校の受験をすすめられた。 進学先を決めてなかった私は、両親のすすめを受け入れた。 その時から、人生で一度も、勤めに出た事の無かった母が、パートタイマーで働き始め、父は父で、会社から帰宅すると、深夜に警備員のアルバイトを、週三日程度であるが、やり始めた。 そして私は、そんな両親の期待に、見事答えた。 これからは、名門校での夢の様な高校生活、付属の大学への進学、幸せな人生が待っていると、私も両親も疑わなかった。 ・
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