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*徠羽side*
「…!??……ないっ!!
無い…!!」
どうして?何でないの?
私が探しているもの。
それは携帯。
昨日の放課後まではあった。
図書室で落としたとしか考えられない。
とりあえず支度を済ませて
朝食を済ませて、急いで学校へ向かう。
学校に着いて真っ先に向かったのは、勿論、図書室。
誰もいないと思ったが、
そこには一人の男子が。
曖本 悠稀だった。
もう聞くしかない!
「あの…っ…!携帯…見ませんでしたか……。」
私は息を荒くしながら言った。
曖本 悠稀はブレザーのポケットから
淡い水色の携帯を取り出し
「これか?」
と私の前に差し出した。
私は急いで受け取った。
「こ…こ、これです!
あ、ありがとうございますっ…!」頭を下げて、礼をした。
「あのさ…。」
曖本 悠稀が此方を見つめる。
「ほぇ?!」
話し掛けられて声が裏返る。
「誰のかわかんないからさ。
調べようと思って赤外線でアドとケー番送ったんだが…。
そのままもらっていいか?」
私は少し考えた。
「…はい!いいですよ!
……あの…。」
曖本 悠稀が不思議そうにする。
「んぁ?」
「…あの…曖本先輩のも
もらって良いですか…?」
曖本 悠稀は「何だ、そんな事か」という顔で
「あぁ。」
とだけ言って赤外線で私の携帯に送った。
「じゃあな吉田 徠羽。」
悠稀はそれだけ言うと
図書室から出ていった。
名前知ってるし!
しかも呼び捨てっ!!
曖本 悠稀…。
漢字でこう書くんだね…。
ぴったり。
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