とある日

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何が起きたかわからない。 ただ覚えているのは、自分に向かって突進してくる黒いステップワゴンと、一瞬視界に写った相棒の顔だけだ。 それ以外は… もしかしてボクは死んだのだろうか。 周りの風景に目をやる。 見慣れたようで、見慣れない。 人のいない、ボクの住んでいる街。 いつもの通学路、いつものマジバ。 店も、家も。 見慣れた風景。 なのに、一切人がいない。 見慣れない風景。 「ここは、どこですか…?」 誰にとも言わず、呟いた。 答えを主張するかのように、標識がボクを嗤った。 聞きなれた土地名。 どうなっているんだ? 悩みながら、鞄に触れた。 手に、固いものが当たった。 「…携帯…!」 そうだ、連絡を取れば良い! 何故浮かばなかったのだろう。 相棒に電話をしようと携帯を開く。 ディスプレイに写る圏外の文字。 それでもどうにかして繋がらないかと、無理だと思いながらも携帯を弄る。 インターネット。 「つな…がっ…た…?」 何故繋がったのかはわからない。 どうにかしてでも連絡を取りたいがために、大型掲示板、くろちゃんねるにアクセスした。 そのままボクは、スレッドを立てた。
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