姫と担任

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「それじゃ、先生。相談って何なんですか?」 いきなり直球な庵。これはこれで、いつもどおりである。普通、相談といえば最初に世間話などをして話しやすくするものなのであるが、庵のそれは根本的に違う。 相談、というより悩み解決に重点が置かれているのだ。 しばし、沈黙する先生。 しかし、すぐにおずおずと話しだした。 「あのね、あんまり信じてもらえないと思うんだけど……」  だが、そこで止まってしまう。  行け、庵。  僕はアイコンタクトで合図を出す。先生の話は『信じてもらえない系』だということに今さらのように気付いた庵が頷く。 「大丈夫ですよ、先生。私たちは、そういう話は慣れていますから。」  それでも、先生はしばらく押し黙っていた。  なかなか話が始まらないので、庵が音楽プレイヤーを取り出した時だった。 「あ、あの……。実は、二週間ほど前から……」 ついに先生の話は始まった。
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