12人が本棚に入れています
本棚に追加
「赤川先輩、お疲れ様です」
「ありがとう」
陸上部の後輩の女の子に誘導され、オレは一位の位置に座り残りのクラスメートが走るのを待つ。
今日は体育祭。そして男子100メートルの徒競走が終わったとこだ。
僕が一位かぁ。あの僕が。
まだ僕は胸が高鳴り興奮している。
小学生の頃、運動会の徒競走ではだいたいビリで、良くて1人抜けるぐらいだった。そんな僕のささやかな夢…徒競走で一番になる。そのささやかな夢が今叶ったんだ。
中学で陸上と出会い今年で三年目。今日までに縮めたタイムは100メートルを6秒。それが何よりの自信になり、僕の力になっている。
小学生の頃は、まさか自分が陸上をするなんて思ってもみなかったなぁ…
最初のコメントを投稿しよう!