三章:真夜中の来襲者

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  「そうか。話し合いで終わらせたかったんだけどな。なら、力尽くで行かせてもらうぜ」    フルスさんの強気な言葉に、リュウヤは笑う。地球にいたときから戦いが好きな人でしたし、こういった展開が好きなのでしょう。遊びたくて仕方ない、と言わんばかりの少年みたいな笑みです。    彼は笑みを浮かべたまま、横に立つもう一人の人物に声をかけます。   「手出し無用だ。黙って見てな」   「りょーかい。ご主人様好きだね、こういうこと」    ――ご主人様!?    今までリュウヤに注目してましたが、突然聞こえたいかがわしい発言に意識が向きます。    そして、リュウヤをご主人様と呼んだ少女を見た私は絶句しました。    紫色をしたショートカットの髪。背中にリュックを背負っており、頭には悪魔のような小さい角。尻尾も見えます。    悪魔っ子……でしょうか。外見にちょっと驚きますが、顔立ちはかなりいいです。全然アリです。    大胆にお腹を見せる、丈の短いシャツ。短いスカートとスパッツ。健康的な色をした素肌を、これでもかと露出させたサービス精神満載なファッションです。    そんな服装をしている人物ですが、決して破廉恥には見えません。    ニコニコと笑う彼女の人懐っこさ、爽やかさ、可愛らしさ。その全てが少女の服装とマッチしているのです。    年齢は12歳くらいに見えます。リュウヤは私と同じ年齢で、高校生ですので――犯罪!   「リュウヤ! いつから中学生くらいの悪魔っ子に、『ご主人様』なんて呼ばせる、いい趣味を持ってたんですか!」   「変なこと言うな! こいつはパートナーだ!」   「夜のですか!? 羨ましい!」   「アホか!」    アホ言われましたよ、真面目に心配したのに。   「継承者にはパートナーが一人つくのよ。だからあの悪魔はリュウヤのパートナー、というわけね」    息を切らせたリュウヤに代わり、フルスさんが説明をしてくれます。    継承者にそんな特典が……。本格的に羨ましいです。    細いながらもハリがあり、柔らかそう太もも。小さいながらも、リュックによって強調された胸……嗚呼、あの方は素晴らしい悪魔っ子です。  
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